歴史学習で何を学ぶべきか

マルク・フェロー『監視下の歴史』新評論、1987年. この本は、アナール系の歴史学者が、制度化された歴史、反発する歴史、自立化した歴史について語っている。アナール系が自立化した歴史を志向していることが分かる。 本書の巻末資料に「学習カリキュラムに…

反証しやすい「本質的な問い」が大事なのではなかろうか

渡部竜也『社会科授業づくりの理論と方法』で後付けで「本質的な問い」を設定する提案がなされてます。 渡部竜也は、「「本質的な問い」とは、はっきりとした回答はないオープンエンドな問いで、かつ主権者として、市民として、私たちが社会で生きていくため…

歴史教育から中田敦彦の炎上を考えてみた

歴史教育の視点から中田敦彦の炎上を考えてみた オリエンタルラジオの中田敦彦の YouTube の歴史動画に誤りが多いということで炎上し ています。以下を参照「責任持った発信が大事」と話す中田敦彦が YouTube でフェイクを 流す問題点」https://news.yahoo.c…

世界史的知識を活用して現代を理解する問題

問1 :現在でも憲法で「国王は、アミール・アル=ムーミニーン(※カリフのこと)であり、国民の最高の代表者であり、国民の統合の象徴であり、国家の持続と永続を保障する者である。」と定めている国として正しいものを記号で答えよ。 (ア)トルコ (イ)モロッコ…

サザエさんを世界史の資料問題にしてみた

新聞で作問化したい記事があったので作ってみました。 この4コマ漫画は、朝日新聞で連載されていた「サザエさん」である。下の漫画の内容として正しいものを記号で答えよ (ア)この漫画は、掲載5日前に起こったホーチミンによるクーデタを念頭に書かれた。…

茂木誠『経済は世界史から学べ』ダイヤモンド社、2013

本書は、経済を世界史から学べという観点から「おカネ」「貿易」「金融」「財政」を解説している本 印象としては、政治経済の内容を説明するために、歴史的な経緯や例を用いるというもの。世界史の授業よりも政治経済の授業に役立つ印象でした。内容そのもの…

旅行サイトを世界史の資料問題にしてみた

次のインターネットのページを見て最も関係深いものを記号で答えよ ①主食の作物に病気が広がった結果、アメリカへの移民が増加した ②第二次世界大戦中の民族・人種的迫害の結果、アメリカへの移民が増加した ③砂糖やタバコの生産を行わせるために、アメリカ…

宇沢弘文『自動車の社会的費用』岩波書店、1974

長らく欲しいかった宇沢弘文『自動車の社会的費用』が、ブックオフで100円棚で輝いていたので速攻で購入。岩波新書の緑にハズレはないでしょう。『自由と規律』や『ことばと文化』も最高。 なぜ、手に取ったかというと岩波新書80周年記念の企画で、経済学者…

茂木誠・鈴木悠介先生の世界史アクティブ・ラーニング公開授業に参加してきました(2)

「茂木誠・鈴木悠介先生の世界史アクティブ・ラーニング公開授業に参加してきました(1)」https://tarikh.hatenablog.com/entry/2019/03/10/211100 に引き続きです。 茂木先生は、「朝鮮戦争を当事者の立場で考えてみよう!」というテーマでした。 テーマ設…

茂木誠・鈴木悠介先生の世界史アクティブ・ラーニング公開授業に参加してきました(1)

皇居の隣というリッチで資本主義な香りがするビルで駿台予備学校の茂木誠先生が主催された「世界史アクティブ・ラーニング公開授業」に参加してきました。学びエイドの鈴木悠介先生も模擬授業をしてくださり大変贅沢な時間でした。参加者も高校生から教員ま…

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