茂木誠『経済は世界史から学べ』ダイヤモンド社、2013

本書は、経済を世界史から学べという観点から「おカネ」「貿易」「金融」「財政」を解説している本

印象としては、政治経済の内容を説明するために、歴史的な経緯や例を用いるというもの。世界史の授業よりも政治経済の授業に役立つ印象でした。内容そのものは、高校の教科書に載っていることが多いですが、構成や表現、視点が参考になります。

 

たとえば、田中角栄の列島改造論の説明が上手かった。

田中角栄はインフレ時にこれを行った点が違います。結果、財政は悪化し、インフレを加速させてしまいました。糖尿病の患者が、大食い競争に参加したようなものです」(p213)

 

こういう表現は、予備校講師や学校の先生から学ぶのがいいですね。構成や例示が上手いですから。たとえば、話題となったムンディー先生こと山崎圭一先生の『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』も年代の省略や構成に工夫がある本です。

 著者から何を学ぶのかを自覚的に教材研究をおこなうことが大事。

   もちろん、それらの例示が正しいものなのかの判断は重要。